講師紹介

株式会社オリエントメディカル代表 小野満幹彦

ひとことに「風邪」といっても、寒気がしてサラサラした鼻水が出る状態なのか、それとも熱っぽく口の中が乾いて喉が痛い状態なのか、症状によって適切な対処方法や食事が、まったく違うことをご存じでしようか?

例えば、昔からお馴染みの「葛根湯」は、身体を温め、強い発汗作用があるので、寒気がする風邪の初期症状にはよく効きますが、熱っぽく喉が痛む状態では、飲むとますます熱が上がり、かえって症状を悪化させてしまいます。

また、普段口にする食物にも効能が期待できるものがあります。寒気がするときは、身体を温める性格のショウガやネギなどを摂り、すでに熱っぽいときは、身体の熱を冷ます性格を持つ、大根などを摂っていれば、むやみに薬を飲まなくても症状は改善されます。

人にも性格があるように、食物や薬もそれぞれ性格を持っています。そして人は、両親から受け継いだ体質もみな違うので、最適な対処法は人によって少しずつ違うわけです。

このハンドブックでは、日本の先人の知恵を活かした健康法…「漢方養生」(かんぽうようじょう)の考え方と、それを生活の中で具体的に活用する方法をわかりやすく紹介します。

健康な人はより健康に、また病気というほどではなくても、少し調子の悪い人は、本当の病気になる前に症状を改善して、誰もが健康ではつらつとした毎日を手に入れましよう。